間取りに「普通」はありません
よく聞かれるのは、こんな言葉です。
「自分はこうしたいのですが、おかしいですか?」
「こうしたいのですが、変ですか?普通でないですか?」
ご自分の想いと裏腹に「これが普通ですから」と担当がよくあるプランを出し、あまり使い勝手に興味が無い家事を主に担わない家族(主にご主人様)が「プロが言ってるんだし、これが普通だし、ええんちゃうん」と後押ししてしまい腑に落ちないまま悩む家事を担う者達(主に奥様)。
だれかの後押しが欲しくて色んな人の意見を聞いてみるも、解決しません。他人は自分の家ではないので無責任ですし「私だったら」くらいの意見しか言えません。何よりご自身が納得していないから解決しません。
それは、例えばアースカラー設計の建築士に相談しても同じことでプロとして言えることは
-
- セオリーとしてはこう
-
- プロとして主婦としての自分の考えはこう
-
- 予算的(工事的)にはこう
くらいで「絶対にこれがいいですよ」なんて言えません。あくまで「自分だったら、こうすると思います」くらいです。あとは「あなただったら、これが合うと思います」ということです。
逆にお施主様が納得すれば、はっきり言ってどんな間取りでも「あり」だと思っています。もちろんデメリットはお伝えしますが。
プロが思う事は「間取りに普通は無い」ということ。
家づくりに悩んでいる皆様も「自分はこうしたい!文句あるか!!」くらいの勢いで設計に何でも物申してみるのが良いと思います。
技術的・予算的に無理な場合は説明を受けてあきらめつくと思いますので何でも言った方が良いです。
そして、技術的・予算的に無理な場合以外は、とことんその想いを伝えることです。
ただ、あまりに担当設計に自分の意見を無下に扱われると、相手は一応プロですし、だんだん言いたくなくなってくるのもわかります。そして、だんだん自分に自信がなくなってきて、わからなくなってきます。
そんな時は順序立てて悩みを解決していきます。
-
- どうしてそういう間取りにしたいのか(なっているのか)?
-
- その間取りにした時のメリットは?
-
- その間取りにした時のデメリットは?
-
- メリットとデメリットを比べて、どちらがより良いか?
-
- 結果を選んだ後に何を解決すれば問題は解消するか?
例えば、あなたが「トイレの扉がリビングに面している」ことに悩んでいるとします。
設計担当もご主人も「ええんちゃうん」と言っています。でも、自分は納得できません。どうしていいかわからなくなります。
ここで誰かに聞いても解決しませんよ!ご自身で考えるのです。
1.どうしてそういう間取りにしたいのか(なっているのか)?
-
- 家相とLDK・洗面の動線を優先したらこうなった。
-
- お客様を洗面脱衣室を通らせてトイレに行かせるのがイヤ。
(洗面脱衣室は生活味が出て、あまり人に見せたくないから)
- お客様を洗面脱衣室を通らせてトイレに行かせるのがイヤ。
2.その間取りにした時のメリットは?
-
- 家相はカンペキ。
-
- お客様が洗面脱衣室を通らなくてもトイレに行ってもらえる。
3.その間取りにした時のデメリットは?
-
- 扉を開けるとトイレがリビングから丸見え。
-
- お客様が扉一枚でリビングなのでトイレを使うのが恥ずかしい。
-
- 娘が年頃になったら、トイレの音を主人に聞かれるのは嫌だろう。
4.メリットとデメリットを比べて、どちらがより良いか?
-
- トイレの中がリビングから丸見えなのは、絶対に嫌!なのでリビングに面したトイレの扉はやめて洗面を通ってもらうことにする。
5.結果を選んだ後に何が解決すれば問題は解消するか?
-
- 洗面脱衣室の雑多なものが見えなければいいので、洗濯機や洗剤などを作りつけの収納で隠してしまう。もしくは、洗濯機部分だけカーテンで間仕切る。
といった具合です。(設計事務所に設計依頼していれば、この悩みは本来、建築士が考えて解決することです。)
応用編として「どうしてその設計はその間取りにしたのか?」もプラン提出の時にしっかり聞いておくと良いです。自分達の意に沿っている部分はもちろん「どうしてこうなったの?」という部分もしっかり聞き出してください。
明確な答えが無い時は「設計のエゴ」か「間取りがまとまらなくって、仕方なく」です。
間取りに関して言えば、プロのする事が全て正しいのではありません。
「あなたが納得する間取りが良い間取り」です。
【合わせて読みたい記事】
●「よくある間取り」はどうしてよくあるのか
●オープンキッチンは子育てに向いている
●自宅で難民だそうで。
●長い目でみた間取りの考察
●主婦考察的台所の位置
「やっぱりよくわからない・・・」方はアースカラー設計にご相談下さい。
(他社の間取りをチェックしてほしい)