レトロスタイルのお部屋を作る時に「古材」「古建具」と呼ばれるものをよく使います。一般的になじみのない古材について基礎知識をまとめてみました。

古材ってなあに?

古材とは、ただの古い材木を指すのではなく「古民家から取り出して再利用できる木材等のこと」をです。古い民家を壊す時に出てくる、使える木や建具・欄間・古道具などが商品として流通しています。

古材は古材専門の問屋さんから取り寄せるのが普通です。また、古建具専門・古道具(家具やドアノブ・照明のセードなど)の問屋さんもあります。

工事現場の足場板の古材も流通していて、使い込まれたスギの板は味がありフローリングや棚板に最適です。

古材のいいところは?

古材の一番の良いところは「お部屋に取り入れると、使い古した味をすぐに楽しめる」。日本人の本能に訴える「懐かしくてなんだかほっとする」雰囲気が出てきます。

また、古材は消毒の薬剤が無い時代の木なので完全な天然素材です。建具や古道具も完全にガラスと木と金属のみでできています。安全な素材にこだわる方にも納得の素材です。

古材=古民家風?

古材というと「古民家?」と思ってしまいがちですが、取り入れ方によってはヨーロッパのラスティック(田舎)風や北欧風やカントリー風にもなります。

古材や古建具をお部屋に取り込みつつ新品の素材(ガラス・タイル・漆喰など天然素材を使い、プラスチックは使わない)を組み合わせてお好みのテイストのお部屋に仕上げることができます。

素材の組み合わせによって様々な顔を見せる古材はとてもおもしろい素材です。

古材入手はタイミング

いつでもどこにでもお気に入りにの古材や古建具が流通しているわけではありません。
昭和初期のセード

材木であれば、古い家を解体したときにしか流通しませんし、気に入った古建具は素早い判断で購入しないと、次はいつめぐり合うかわかりません。ガラスのドアノブや照明のセードも時の運のような場合も多いのです。

古材を活かした家づくりは、普通の家づくりより根気が必要ですが、仕上がった後のお部屋の居心地はなんともいえません。

古材は安くつくのか?

新しい木材を買うより材木の値段自体は安いのですが、古材にあわせてまわりを作り込んだり、古建具を磨いて補強したりと手間がかかるためトータルで考えると決して安くはつきません。

工業製品(新建材)を使った家づくりの方が断然安くつきます。

古材の心意気

古建具や古道具は、現在までその姿のまま残っている大切に使われた道具達です。取り壊された家から出てきた道具達が、また新しい場所でその役割を再び果たしはじめ、次の持ち主にまた大切されると考えると、日本人特有の物を大切にする心「もったいない」の精神に通ずるところがあります。

古材はたしかに素材の1つに過ぎないのかもしれませんが、再び生きはじめる道具達に愛情を持って接していただけると、うれしく思います。

 

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